HIROKO TOKUNAGA
新型コロナウイルスが世界に蔓延して、一年半が経とうとしている。
生活は一変し、非接触的なコミュニケーションツールが急速に広まった。
遠方の友人でもリアルタイムに顔を見ながら話せることから、当初は私も何度となく利用していた。
所謂、Zoom飲みだ。
その手軽さで最初は頻繁に利用していたが、2〜3ヶ月でぱったりとやめてしまった。
非接触コミュニケーションツールでは、リアルで会っている時と同じレベルの意思疎通は出来ないことを、私に認識させた。
そして、私たちは無意識にあらゆる感覚をフル活用して、人とコミュニケーションをとっていることを知った。
画面によってたくさんの情報が遮られていることに、どのくらいの人々が気付けているのだろう。
インターネットのインフラが加速していく中で、重要な事が手のひらからこぼれ落ちるような感覚を覚える。
今回の作品には「あなたに会いたい」という想いを込めた。
ディスプレイというベールの向こうに、私の言葉はどのくらい伝わっているのだろう。
あなたとこの風を感じる事ができたら、どんなに幸せだろうと。
Feel the wind with you
徳永 博子
1983年長崎県生まれ。グラフィックデザインを学んだのち、東京造形大学美術学部絵画科に入学し、油絵を学ぶ。 「絵を描く」ことよりも「ものをつくる」ことの方が自分には合っていると感じ、自身の表現の可能性を探し、現在のアクリル板を細やかに削り出す現在の手法に至った。透明なアクリルの板にふわりと浮かび上がる精緻な模様。細やかな点と線の集まり。
ストロークの「集積」と、その重なりから「知覚」されるものを制作のコンセプトとしている。
近年、「始まり」を新たなテーマとし、従来の作品と並行してパフォーマンスや立体作品の制作にも注力しており、新たな展開を見せている。
主な活動歴
2018年
“TOKYO ILLUSION 東京幻境日本當代藝術展” 台中軟體園區Dali Art藝術廣場B棟展覽館(台湾)
個展 ”Diffused reflection” MDP Gallery(東京)
2019年
個展 “Pick up points, carefully”Gallery Tagboat(東京)
2020 年
”Weekend展覧会Vol.1” SHUKADO CONTEMPORARY (東京)
”s+arts christmas exhibition” s+arts(東京)
2021 Tagboat Art Fair 他、全国百貨店など